今回は、弊社リース事業部が保有する次世代足場(アルバトロス)」をご紹介します。

弊社が保有する次世代足場「アルバトロス」は、アルインコ(株)の製品であり、様々な利点があります。

アルバトロス研修会 @弊社リース部にて

まずはじめに、次世代足場の定義ですが、従来から利用されている”枠組足場”と異なり、”クサビ緊結式足場”と呼ばれる種類に分類され、以下の特徴を持っています。

《次世代足場の特徴》

  • 先行手摺工法を使用
  • 抜け止め機能のついた手摺
  • クレーンによる大組、大払しが可能
  • 階高(1階層の高さ)が1,800㎜〜1,900㎜。足場内側の空間が従来の枠組足場よりも広く作業し易い
  • 本足場・型枠支保工のシステム承認を取得

先行手摺(手すり)工法とは、足場の組立解体の作業環境で、最上層に常に手摺がある状態を維持し、建設作業中の死亡事故を防ぐため、厚生労働省により平成15年4月に策定されたガイドラインが契機となり、各メーカーにより考案されました。一段下から上階の手すりを先に組み立てる工法のため、従来より更に安全に配慮した設計となります。

先行手すり工法
 引用先:アルインコ(株)HP

<NETIS登録品>

次世代足場アルバトロスは、NETIS登録品(KK150002-VE)です。

NETIS登録品とは、新技術情報提供システム(New Technology Information System)の略で、国土交通省が運用する新技術の活用のためのデータベースに登録された製品ということを意味します。データベースですのでインターネットを介して誰もが技術情報を検索・参照することができます。

優れた新技術をデータベース化し、公共工事・民間工事が抱えている問題点を解決するために利用されます。新技術に係る情報を全国の地方整備局や工事事務所で共有され、公共工事全般に積極的に利用されます。公共工事においては、『令和5年度から国土交通省の直轄工事において、NETIS登録技術の活用が原則義務化』されました。

●建設事業者がNETISを活用するメリット●

  • 優れた新技術を活用するため、現場の品質改善・工期短縮・コスト削減・安全面での向上などが期待できる
  • 公共工事の入札時に、総合評価方式*での提案において加点の対象になり、技術評価点の向上が見込める

NETIS登録技術を採用すると、公共工事における工事成績評定での加点対象になります。これらの点数は「高品質な施工実績」の評価に繋がり、その施工者は以降の入札で有利になります。

要は、『工事価格以外の要素>工事価格』 を評価する仕組みとなります。

*:総合評価落札方式とは、国土交通省発注の公共工事において価格以外の要素(コスト削減、品質向上、安全面への対応など)を評価対象に加えて総合的に評価する方式です。

<従来品(枠組足場)と次世代足場の比較>

1.許容支持力

図1に、従来の”枠組足場”と、”次世代足場”の許容支持力(支柱1本あたり・型枠支保工)を示します。同図より、以下の特徴が見えてきます。

図1 許容支持力の比較(枠組足場と次世代足場) 

※引用先:次世代足場の許容支持力については、”支柱1本あたりの許容支持力”及び、”型枠支保工の許容支持力”について記載のあるメーカーのカタログから引用しました。この為、支保工の許容支持力の記載のない製品は除外しております。

※注:支柱の径やパイプ厚さ、足場の組み方・用途によっても、許容支持力の差が異なりますので、詳細は各メーカーにお問い合わせ下さい。

 a) 枠組足場

  • 従来の枠組足場の許容支持力は、次世代足場よりも強い(形状が鳥居型の為)。
枠組足場(A4055B)

 b) 次世代足場

  • 次世代足場のグループの中で、”アルインコ社製のアルバトロス”は許容支持力(支柱1本あたり・型枠支保工)のバランスが良い製品である。
次世代足場(アルバトロス)

2.重量と階高ピッチ

図2に、従来の”枠組足場”と、”次世代足場”の単体の重量と階高ピッチ(長さ)を示します。同図より、以下の特徴が見えてきます。

a) 枠組足場

  • 従来の枠組足場は、持ち運びする際に最も重く、作業者に与える体力的な負荷が高い。
  • 階高が1700mmであるため、現代人の平均身長172cm(1720mm)を考慮すると、足場を組み立てた際の足場内の作業空間が狭く作業しにくい。

b) 次世代足場

  • 次世代足場の平均的な重量は12.5kg /支柱で、枠組足場より軽く、持ち運びの際の体力的な負荷は緩和される。
  • 階高ピッチについては、1800mmの製品と1900mmの二種類に分けられ、1800mmの製品が比較的多い。階高ピッチが大きい程、足場内部の作業空間は広く、作業効率が良い。

図2 重量と階高ピッチ(枠組足場と次世代足場)

3.まとめ

枠組足場に関して: 現代の日本人の平均身長(約172cm=1720mm)に対し、枠組足場の階高が1700mmである為、「足場内を移動したり作業をする際に、作業スペースが狭い」、「持ち運ぶ際に重い」というデメリットがあります。ただし、足場の形状が鳥居型(左右の支柱の角部に頬杖が溶接された製品)となっていることから、許容支持力が最上位(強固)となっています。

次世代足場に関して: 次世代足場メーカー各社の仕様が異なる為(ex. パイプ径、パイプ厚さ、支柱長さ、素材等)、一概に説明することが難しいのですが、従来の枠組足場よりも軽く、形状がコンパクトで運搬し易いといった利点があります。許容支持力については、枠組足場には劣るものの、許容支持力の更なる強化ということで、強化頬杖といったサポート部材も開発され、枠組足場と同等以上の許容支持力となる工夫も施されています。(↓アルバトロスの強化頬杖)

カタログ(アルバトロス)から抜粋

《アルバトロスの特徴》

弊社が保有する次世代足場「アルバトロス」は、アルインコ社の製品であり、以下、アルバトロスの特徴を記載致します。

a) 仕様面

  • 1層高さが1800mmで施工しやすく、作業空間が確保でき、作業効率化
  • プレート厚み8mmで頑丈
  • 先行手すり工法で、足場組立作業中も安全な作業

b) 施工

  • 基本部材を中心に様々な部材を組み合わせることで、三次元的な組み替えができることが特徴で、立体的で安定した構造を自由な寸法で組み合わせることができる。

c) 経済面

  • 設計構造の合理化により、施工時のコスト削減効果(運搬費、施工人工)が得られ、総合的に工程短縮に繋がり、仮設工事費用のコスト削減に寄与する。

↓弊社のホームページにも、アルバトロス商品紹介ページを作成しておりますので、併せてご覧ください。

👉 https://www.sanken-rental.com/albatross

<サンケンが保有する仮設機材>

弊社は、本記事でご紹介した”枠組足場”と”次世代足場”の両方を保有しております。

双方の足場について、以下、簡単にまとめます。

  • 施工環境のスペースが狭小となってしまうのの、許容支持力が大きい”枠組足場”
  • 先行手摺工法を標準化し、建設現場の安全性を高め、作業性に配慮された”次世代足場”

各々の足場にはメリット・デメリットがありますので、用途に応じた使い分けが必要と思われます。弊社は両タイプの仮設機材を保有しつつ、”枠組足場”と”次世代足場” それぞれの特徴や施工技術を有している為、お客様の現場に合わせたご提案をさせて戴きたいと考えております。

ご不明点など御座いましたら、お客様の所へ営業担当がお伺いし、詳しくご説明・ご相談させて戴きます。

今後も弊社の取組みを社外に向けて発信していきたいと考えております。

ご意見やご質問があれば、お気軽にお問合せフォームにご連絡戴けば幸いです。

株式会社サンケン リース事業部